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僧帽弁逸脱症
著者: 東丸貴信1 杉本恒明1
所属機関: 1東大第二内科
ページ範囲:P.360 - P.360
文献購入ページに移動 僧帽弁逸脱症の概念は古くは聴診所見における収縮期クリック音として始まり,最近になり聴診所見が僧帽弁機能と関係づけられるようになってきた.その本体は,心臓の収縮期に僧帽弁が左房側に逸脱することであり,独特の聴診所見を伴うことがある1,2).
臨床徴候として動悸,胸痛,不整脈の自覚などの症状を呈することがある.診断法として最も有力なものに心エコー図があり,断層心エコーでは僧帽弁輪を超えて弁尖が左房側へ膨隆し逸脱するのがみられる(図1)3).心エコーのMモード法では僧帽弁が収縮期に下方に運動する所見がみられる.聴診所見では収縮中期クリックと収縮後期の雑音が重要とされるが,必ずしも存在するとは限らず,心エコー所見との不一致もみられる.また,病変が進行し,僧帽弁閉鎖不全を生じると逆流性の心雑音が聴取されるようになる.
臨床徴候として動悸,胸痛,不整脈の自覚などの症状を呈することがある.診断法として最も有力なものに心エコー図があり,断層心エコーでは僧帽弁輪を超えて弁尖が左房側へ膨隆し逸脱するのがみられる(図1)3).心エコーのMモード法では僧帽弁が収縮期に下方に運動する所見がみられる.聴診所見では収縮中期クリックと収縮後期の雑音が重要とされるが,必ずしも存在するとは限らず,心エコー所見との不一致もみられる.また,病変が進行し,僧帽弁閉鎖不全を生じると逆流性の心雑音が聴取されるようになる.
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