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文献詳細

雑誌文献

検査と技術14巻5号

1986年04月発行

文献概要

形態学的検査と技術 血液と病理 血液 [3]特殊血液形態学的検査 [A]特殊染色法

5)アルカリホスファターゼ染色法

著者: 野本恵子1

所属機関: 1日本医科大学付属第二病院中央検査室

ページ範囲:P.431 - P.434

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はじめに
 白血球のアルカリホスファターゼ(alkaline phosphatase;Al-p)活性は主に成熟好中球に認められ,各種疾患や病態での活性が検討されてきた.特に慢性骨髄性白血病(chronic myeloid leukemia;CML)で本酵素活性が極めて低く,末梢血液像の類似する類白血病反応では高値を示すことから,その鑑別診断に不可欠とされている.また,急性白血病の病型分類の補助手段,あるいは治療効果や予後の判定にも用いられている.
 このAl-pの活性評価方法には金属塩法1)とアゾ色素法2,3)の2種の染色法があるが,簡便さ,再現性,鋭敏で鮮明な染色性などの点でアゾ色素法が優れている.アゾ色素法は,欧米で用いられているKaplow法2)とわが国の朝長法3)に代表される.最近,国際血液標準委員会(International Committee for Standardization in Haematology;ICSH)でKaplow法と朝長法が推奨法として決定された4).わが国では,この2法について過去に比較検討され,その結果,ナフトールAS-MXホスフェートを基質とし,ジアゾニウム塩にFast Blue RRを使用する朝長法が鋭敏さの点でより優れているため,標準的方法として広く普及しており,以下,朝長法について紹介する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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