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形態学的検査と技術 血液と病理 血液 [3]特殊血液形態学的検査 [A]特殊染色法
8)酸ホスファターゼ染色
著者: 榊尚男1
所属機関: 1秋田大学医学部附属病院中央検査部
ページ範囲:P.441 - P.444
文献購入ページに移動血球中の酸ホスファターゼ酵素の細胞化学的証明法は古くから試みられ,1939年Gomori1)に始まり,Rabinovitch2,3)らによって血液学の領域に導入された.証明法には大別して金属塩法とアゾ色素法の2法があるが,光学顕微鏡レベルでは一般に特異性,染色顆粒の鮮明さ,再現性,手技の簡便さなどに優れるアゾ色素法が用いられている.
本法は今までに多くの研究者によって改良が加えられ,現在数多くの優れた方法がある.しかし用いる試薬の違いにより鋭敏性,陽性顆粒の発色など染色態度に差異があり,諸種血液疾患鑑別に際し方法の統一が望まれていた.1978年パリにおいて第1回国際血液標準化委員会(International Committee for Standardization in Haematology;ICSH)の細胞化学専門委員会(Expert Panel of Cytochemistry,委員長:新潟大学第1内科・柴田昭教授)が開かれて細胞化学的特殊染色法の標準化について討議され,①ペルオキシダーゼ,②アルカリホスファターゼ,③酸ホスファターゼ,④非特異的エステラーゼ,⑤ナフトールAS-Dクロロアセテート・エステラーゼの5種類についての標準化の方向づけがなされた.以来,カナダ会議,岐阜会議と慎重かつ活発な討議,検討が重ねられ,1982年標準化法が決定,1985年に血液学領域における細胞化学の国際標準法が発表された4).
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