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文献詳細

雑誌文献

検査と技術14巻5号

1986年04月発行

文献概要

形態学的検査と技術 血液と病理 血液 [3]特殊血液形態学的検査

[F]走査型電子顕微鏡による血球観察

著者: 丹下剛1

所属機関: 1東京大学医学部病理学教室

ページ範囲:P.461 - P.464

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はじめに
 走査型電子顕微鏡(走査電顕)がもつ最も大きい特長は物体の表面像を立体的に把握できることにあり,その点,細胞表面像を観察しやすい血球は走査電顕に適している.
 正常の赤血球,白血球,血小板はそれぞれ固有の立体像を示すし,異常な血球としては貧血の患者の赤血球の多彩な特徴的な形態像がよく知られている.異常な白血球としては白血病患者の末梢血に出現する芽球がある.この白血病細胞の形態分類は塗抹標本でなされているが,FAB分類に対応する芽球の走査電顕像の観察が白血病の分類と治療効果の判定に役だつと思われる.さらには,免疫反応のT,Bリンパ球とマクロファージの相互の接触状態,あるいはマクロファージの貪食や好中球の食菌現象の立体観察を臨床検査に応用できるかもしれない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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