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文献詳細

雑誌文献

検査と技術14巻5号

1986年04月発行

形態学的検査と技術 血液と病理

わだい

中央検査部と血液検査

著者: 戸川敦1

所属機関: 1国立病院医療センター内科

ページ範囲:P.475 - P.475

文献概要

 私が大学を卒業して病院実習を始めた頃,病室と並んで小さな検査室が各病棟に一つずつあり,そこで血算や尿検査などができるようになっていました.入院した新患の病歴をとり,診察し,血算や尿,血液検査などいわゆる入院一式検査を終わる頃には,たいてい夜9時を回っていたものです.その後,検査の中央化が進んで,マスとして検体を取り扱う機器が導入され,精度管理などもしっかりできるようになりました.それが現在の中央検査室(部)の姿だと思います.
 しかし,国民総生産量に対する医療費の高騰が論じられるようになった昨今,医療費節約のため中央検査室をいくらでも拡大して病院内のニーズにこたえるというわけにはいかなくなりました.実際,1日1検体しか来ないような検査のために器具,試薬,人員をそろえておくのは不合理ですし,また大型機器の導入によりわずか数時間の稼働であとは機械を遊ばせておくというのは無駄の最たるものです.こうしたことが,少数の検体でもマスとして取り扱えるようにした民間検査センター隆盛の原因ではないでしょうか.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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