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文献詳細

雑誌文献

検査と技術14巻5号

1986年04月発行

文献概要

形態学的検査と技術 血液と病理 わだい

LAKとIL-2を併用した抗腫瘍療法

著者: 押味和夫1

所属機関: 1東京女子医大第1内科

ページ範囲:P.504 - P.504

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 昨年12月5日発行の"NewEngland Journal of Medicine"で,米国National Cancer InstituteのRosenbergらのグループは,LAKとIL-2を併用した抗腫瘍療法で著効を示す症例がみられたことを発表した.このニュースは日本でも新聞やテレビで取り上げられ,注目されたことは記憶に新しい.この治療法について簡単に述べる.
 LAKとはインターロイキン-2(interleukin-2:IL-2)によって活性化されたリンパ球(lymphokine-activated killer)のことで,このキラー細胞は試験管内で腫瘍細胞を効率的に障害する.しかしLAKを患者に投与しただけでは抗腫瘍効果は認められなかった.また,IL-2を単独投与しても効果はほとんど認められなかった.そこで彼らは動物実験の成績に基づいて,LAKとIL-2を併用することにより,生体内に注入されたLAKを外部から投与したIL-2でさらに増殖・活性化すれば抗腫瘍効果が現われるであろうと予測した.予測は見事に適中して,化学療法剤が無効になった25人の進行癌の患者のうち,1人が完全寛解,10人が部分寛解を示した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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