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文献詳細

雑誌文献

検査と技術14巻5号

1986年04月発行

文献概要

形態学的検査と技術 血液と病理 わだい

骨髄巨核球のはなし

著者: 若林芳久1

所属機関: 1順天堂大内科

ページ範囲:P.507 - P.507

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 骨髄中にその存在が形態学的に認められる巨核球系細胞としては,巨核芽球,前巨核球,巨核球の三つの分化段階の細胞が知られている.巨核球系細胞の他の血液細胞に見られない特徴として,巨核芽球は核の分裂を伴わない染色体の分裂(endomitosis)を呈することである.細胞の染色体が4,8,16,32などの倍数性(ploidy)を示すことからnuclear numberのNをとって4N,8N,16N,32Nと呼ばれる.
 このようにendomitosisを起こしつつ成熟する.そして前巨核球にまで成熟すると,その大部分は32Nの細胞となる,このような特殊な成熟様式を示す巨核球も当然,その産生は骨髄の多能性造血幹細胞に由来するが,巨核球系前駆細胞として同定可能なものは巨核球コロニー形成細胞(megakaryocyte colony-forming units:Meg-CFU)と呼ばれる2Nの染色体を有する細胞である.Meg-CFUに巨核球コロニー刺激因子(Meg-CSF)が作用すると,巨核球系細胞への分化が起きる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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