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文献詳細

雑誌文献

検査と技術14巻5号

1986年04月発行

文献概要

形態学的検査と技術 血液と病理 血液 [5]その他の検査法

[D]リゾチーム活性試験

著者: 永野貞明1

所属機関: 1兵庫医科大学病院中央臨床検査部

ページ範囲:P.512 - P.515

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はじめに
 1922年,A. Flemingは細菌を溶かしコロニーを透明にする物質を偶然鼻汁中から見いだし,これにリゾチーム(lysozyme)の名を与えた1).リゾチームは特定のGram陽性球菌の細胞壁多糖類のうちN-アセチルグルコサミンとN-アセチルムラミン酸のβ-1,4-結合を加水分解することから,体内における感染防御に深く関連する溶菌酵素と考えられ,涙液,唾液,血清,尿などの体液や,多くの組織に広く存在が認められている.
 リゾチームと白血病との関連が注目されたのは,1966年Ossermanら2)が単球性白血病を併発した骨髄腫患者の血清,尿から大量のリゾチームを同定したことに始まる.その後多くの追試の結果,リゾチームが単球性白血病でしばしば著増することが確認され,臨床化学的マーカーとして測定の意義が高く評価されるようになった.白血病の分類は従来から主に細胞形態や特定の特殊染色所見などを基に行われてきたが,各種の形態検査所見を併せて見ても分類の困難な症例も多く,白血病の補助診断的な目的から血中の酵素測定の有用性が最近注目されつつある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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