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文献詳細

雑誌文献

検査と技術14巻5号

1986年04月発行

文献概要

形態学的検査と技術 血液と病理 病理

[5]甲状腺,副甲状腺の検査法

著者: 加藤良平1 冨地信和1 矢川寛一1

所属機関: 1岩手医科大学病理学第一講座

ページ範囲:P.562 - P.566

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はじめに
 甲状腺は左右両葉とその間の峡部から成り,通常H形ないし馬蹄形を呈する内分泌臓器である.甲状腺からは甲状腺ホルモンすなわちサイロキシン(thyroxin;T4),トリヨードサイロニン(triiodothyronin;T3),あるいはカルチトニン(calcitonin)が分泌される.一方,副甲状腺は平均重量120〜140mgの小さな内分泌臓器で甲状腺の後方に上下2個ずつ存在し,パラソルモン(parathormone;PTH)と呼ばれるポリペプチドホルモンが分泌される.これらのホルモンは臓器の機能状態により変動することから,甲状腺ないしは副甲状腺疾患を理解するうえで,その病態がホルモンの生成,分泌,代謝と密接に関連していることを考慮せねばならない.
 甲状腺あるいは副甲状腺の日常の病理組織検査には,現在でもヘマトキシリン・エオジン(HE)染色と一部の特殊染色が中心であるが,近年の免疫組織化学の進歩により組織内ホルモンの証明が可能となり,光顕レベルでの形態像と機能との関連をより容易に把握しうるようになった.そこで本稿では,免疫染色法を中心に甲状腺,副甲状腺ホルモンの組織内証明法とその意義について簡単に述べてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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