icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術14巻5号

1986年04月発行

文献概要

形態学的検査と技術 血液と病理 わだい

前立腺癌の地理病理学

著者: 矢谷隆一1 白石泰三1

所属機関: 1三重大病理学

ページ範囲:P.642 - P.642

文献購入ページに移動
 前立腺癌の死亡率は各国あるいは人種で差があるが,それを大きく分けると3群に分けられる.第一は死亡率の高いアフリカあるいは黒人型,第二はそれよりやや低い値を示す欧米あるいは白人型,第三は死亡率の低いアジアあるいは黄色人種型である.
 一般的に,欧米では前立腺癌の死亡率が高いので関心が深いが,日本の死亡率は欧米の約1/10であり,胃癌や肺癌などに比べると関心が薄い.しかし近年,日本人の死亡率は増加しており,将来さらに高くなる可能性がある.この日本人における増加の原因については,ハワイへ移住した日系人の前立腺癌死亡率は,白人と日本人との中間値を示すことや,日本人例を県別にみると,東京における死亡率が高いことから,生活様式の欧米化と関連づけて考えられている.生活様式の欧米化とは,具体的には脂肪摂取量と関係が深い.高脂肪食は前立腺中のホルモン量を変化させ,これが前立腺癌の発生や増殖に関与する可能性が指摘されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら