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技術講座 生理
誘発電位2—聴性誘発電位
著者: 高森晶裕1 山田修1
所属機関: 1帝京大学耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.693 - P.697
文献購入ページに移動聴性誘発電位の歴史
聴性誘発電位は,脳波が発見された頃からすでに注目されていた.脳波記録時に音刺激を与えたとき生じたK-complexが,初めて発見された聴性誘発電位で,1940年代にDavisによる臨床応用が報告されている.1950年代に入ると,K-complexを手で重ね書きするようになり,誘発電位らしくなった.その後,コンピューターの導入により脳波の加算が可能となり,難聴の診断ばかりではなく,大脳機能の他覚的評価にも用いられるようになった.この脳波を加算したものを緩反応(slow vertex response;SVR)と呼んでいる.しかし,この起源はいまだはっきりせず,しかも再現性に難があり頼りない補助診断法であった.1960年代以降になって,蝸牛,聴神経,脳幹の誘発反応が次々に発見され,聴覚伝導路の末梢から少なくとも側頭葉までは,局在診断が可能になってきた.
聴性誘発電位は,脳波が発見された頃からすでに注目されていた.脳波記録時に音刺激を与えたとき生じたK-complexが,初めて発見された聴性誘発電位で,1940年代にDavisによる臨床応用が報告されている.1950年代に入ると,K-complexを手で重ね書きするようになり,誘発電位らしくなった.その後,コンピューターの導入により脳波の加算が可能となり,難聴の診断ばかりではなく,大脳機能の他覚的評価にも用いられるようになった.この脳波を加算したものを緩反応(slow vertex response;SVR)と呼んでいる.しかし,この起源はいまだはっきりせず,しかも再現性に難があり頼りない補助診断法であった.1960年代以降になって,蝸牛,聴神経,脳幹の誘発反応が次々に発見され,聴覚伝導路の末梢から少なくとも側頭葉までは,局在診断が可能になってきた.
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