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文献詳細

雑誌文献

検査と技術14巻6号

1986年05月発行

文献概要

技術講座 生理

誘発電位2—聴性誘発電位

著者: 高森晶裕1 山田修1

所属機関: 1帝京大学耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.693 - P.697

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聴性誘発電位の歴史
 聴性誘発電位は,脳波が発見された頃からすでに注目されていた.脳波記録時に音刺激を与えたとき生じたK-complexが,初めて発見された聴性誘発電位で,1940年代にDavisによる臨床応用が報告されている.1950年代に入ると,K-complexを手で重ね書きするようになり,誘発電位らしくなった.その後,コンピューターの導入により脳波の加算が可能となり,難聴の診断ばかりではなく,大脳機能の他覚的評価にも用いられるようになった.この脳波を加算したものを緩反応(slow vertex response;SVR)と呼んでいる.しかし,この起源はいまだはっきりせず,しかも再現性に難があり頼りない補助診断法であった.1960年代以降になって,蝸牛,聴神経,脳幹の誘発反応が次々に発見され,聴覚伝導路の末梢から少なくとも側頭葉までは,局在診断が可能になってきた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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