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文献詳細

雑誌文献

検査と技術14巻6号

1986年05月発行

文献概要

ザ・トレーニング

凝集反応における種々の因子の影響

著者: 蒲池正次1

所属機関: 1防衛医科大学校病院検査部

ページ範囲:P.727 - P.730

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 凝集反応の歴史は,GruberおよびDurham(1896)が,コレラ菌あるいはチフス菌の浮遊液に,これらの菌で免疫した動物の血清を加えると細菌が塊を作ることを見いだし,この抗体を凝集素と名づけ,凝集反応の免疫学的反応の意義を初めて明らかにしたときに始まる.少しおくれてWidal(1896)は,チフス患者の血清にチフス菌を混ぜると凝集反応が起こることを発見した.赤血球の凝集反応はBordet(1898)が,ウサギの赤血球で免疫したモルモットの血清が補体の存在においてウサギ赤血球を溶血し,加温した血清を用いると凝集反応を起こすことを発見した.つづいてLandsteiner(1900)は,ヒトの血液型(A,B,O)を発見し,その翌年DecastelloとSturliがAB型を見つけ,加えた.
 こうして,血清学的反応の一形式である凝集反応が種々の細菌による伝染性疾患の血清学的診断法や,いろいろな実験的研究に用いられるようになった.初めに凝集反応に影響するいくつかの因子について考えてみたいと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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