icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術14巻8号

1986年07月発行

文献概要

病気のはなし

急性膵炎

著者: 内田耕太郎1 真辺忠夫2 宮下正2

所属機関: 1京都大学医療技術短期大学部 2京都大学医学部第1外科

ページ範囲:P.838 - P.844

文献購入ページに移動
急性膵炎とは
 一般に急性炎症というと,ブドウ球菌,レンサ状球菌などによって局所的に発熱,発赤,腫脹,疼痛を現わすものをいうが,急性膵炎には特定の起炎菌はなく,膵臓が自ら分泌する酵素によって障害を受ける病態である.激烈な腹痛,ショック,さらに肝,腎,心臓,肺など重要臓器に障害を生じ,経過と予後に重大な影響を与える多彩な症状を表わす.また病理組織学的には出血,壊死など退行性病変,循環障害が現われ,炎症細胞の浸潤を伴わないものがあるという特徴がある.
 膵臓は解剖学的に前面が腹膜によって覆われて腹膜後隙に存在し,その病変は膵臓にとどまらず周囲に波及して腹膜後隙が火傷を受けたようになり,大動脈周囲の神経節に変性を生じショックなどを起こす.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら