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文献詳細

雑誌文献

検査と技術14巻8号

1986年07月発行

文献概要

技術講座 生化学

乳酸・ピルビン酸の定量法

著者: 渭原博1 豊田正輝2

所属機関: 1東邦大学大橋病院検査部 2東邦大学糖尿病内科

ページ範囲:P.857 - P.861

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 ピルビン酸は糖新生(gluconeogenesis),またアミノ酸の代謝において主要な中間代謝産物であると同時に,図1に表すような経路で代謝されアセチルCoAを介して脂質代謝と密接に関連している.一方,乳酸は嫌気的解糖系の最終産物であり,ピルビン酸から産生される.
 ピルビン酸+NADH+H+【LDH】乳酸+HAD+
 すなわち,
 乳酸濃度=ピルビン酸×Keq×〔NADH〕〔H+〕/〔NAD+
 の式が成立し,図1に示した代謝経路が障害されたり,あるいはピルビン酸の生成が亢進したりすると体内にピルビン酸が蓄積し,その結果,血中乳酸濃度は上昇する.また,NADH/NAD比は組織の酸化還元状態を反映するといわれており,低酸素状態ではこの比が増大し,血中乳酸濃度は上昇する.したがって,血中乳酸・ピルビン酸定量のもう一つの意義は組織の低酸素状態を把握することにある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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