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文献詳細

雑誌文献

検査と技術14巻9号

1986年08月発行

文献概要

技術講座 病理

アビジン・ビオチン・グルコースオキシダーゼ複合体法

著者: 埴岡啓介1 中浜晶夫1 浦野順文1

所属機関: 1東京大学医学部病理学教室

ページ範囲:P.982 - P.986

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 ペルオキシダーゼ・抗ペルオキシダーゼ複合体法(PAP法)やアビジン・ビオチン・ペルオキシダーゼ複合体法(ABC-PO法と略す)を用いた免疫組織化学が広く行われるようになり,豊富な種類の抗血清が市販されていることとも相まって,今日ではこれらの方法は病理検査の日常手技の一つとして取り入れられている.一方ではモノクローナル抗体の作製技術が普及し,実に多種多様な抗体が開発され,市販の抗体の種類も年々増加している.これらの中には,ある種の悪性腫瘍に特異的であるとか,腫瘍細胞の起原や,その分化の方向・段階を鋭敏に示すものが少なからず含まれており,病理診断においても欠かすことができない.
 こうしたモノクローナル抗体は今後増加し,その日常検査に占める重要性はますます高くなると思われる.しかし,これら抗体の抗原決定基(epitope)はホルマリンなどの固定液,アルコールやキシレンなどの有機溶媒に対して不安定なことが多く,日常使用するパラフィン切片では失活してしまって染まらないことが意外に多い.このためモノクローナル抗体を用いた染色では,新鮮凍結切片を用いざるをえないことがしばしばである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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