icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術15巻1号

1987年01月発行

文献概要

病気のはなし

特発性血小板減少性紫斑病

著者: 野村武夫1

所属機関: 1日本医科大学第三内科

ページ範囲:P.10 - P.15

文献購入ページに移動
 血小板は止血に重要な役割りを果たす血球で,これが減少すると出血しやすくなり,またいったん出血すると止まりにくい.その場合,出血はどこにでも起きてくるが,皮膚の出血つまり紫斑がもっとも目につきやすいため,この異常を血小板減少性紫斑病と呼んでいる.血小板減少は先天性,後天性のいろいろな病気とか,薬物や放射線の障害によって起こるが,原因がどうしてもわからない場合があり,これが特発性血小板減少性紫斑病(ITP)である.ちなみに医学では特発性,本態性,一次性あるいは原発性という言葉がよく使われるが,いずれも原因不明の意味である.
 ITPは出血を主症状とするさまざまな病気の中では経験する機会が多く,また厚生省特定疾患(いわゆる難病)治療研究事業の対象になっており,一般の関心も強いように思われる.そこでこの病気について,医療関係者として当然備えておかねばならない知識のあらましを述べてみることにする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?