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文献詳細

雑誌文献

検査と技術15巻1号

1987年01月発行

文献概要

検査ファイル 項目

脱灰

著者: 中村光男1

所属機関: 1東京都老人医療センター病理部

ページ範囲:P.60 - P.61

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 病理組織標本を作製するうえで,石灰成分(主にCaなど)などを含んだ骨,歯,あるいは石灰化した病巣では,この石灰成分を除去しなければ,ミクロトームでの薄切は困難である.この操作を脱灰(decalcification)という.脱灰操作によって石灰成分は除去できるが,組織に傷害を与えることは免れない.主に組織の膨化と収縮などで,さらに診断するうえでヘマトキシリンに対する染色性の低下が,もっとも著しい障害である.
 この傷害を避けるために数多くの脱灰法が考えられているが,完全な方法はない.それぞれの長所を利用して,適宜目的にかなった脱灰法を選択するのがよい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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