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文献詳細

雑誌文献

検査と技術15巻1号

1987年01月発行

文献概要

検査ファイル 項目

ムコ蛋白

著者: 今井宣子1

所属機関: 1大阪大学病院中央臨床検査部

ページ範囲:P.64 - P.65

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1.概念と種類
 ムコ蛋白(mucoprotein)は糖質を含む複合蛋白質の一種で,糖蛋白(glycoprotein),ムコイド(mucoid)ともいわれる.蛋白質部分が主成分で,糖質部分が10%以上のものをいう.糖質部分はコンドロイチン硫酸やヘパリンなどのムコ多糖から成り,その還元末端と蛋白質とが共有結合している.ムコ多糖中のヘキソサミン含量が4%以上のものをムコ蛋白,それ以下のものを糖蛋白と区別して用いる場合もある.表に血漿蛋白のうち糖質含量10%以上を示すものを挙げた.
 ムコ蛋白は加熱によっても,またトリクロル酢酸,過塩素酸などによっても変性を受けない.そのため,酸に可溶性を示す糖蛋白質群を特にASP(acid soluble proteins)と称することもある.血清ASPとして同定されているものには,α1-酸性糖蛋白,ハプトグロビン,ヘモペキシン,α2-HS糖蛋白,α1-アンチトリプシンがあるが,血清ASP中の含有率はそれぞれ70%,12%,11%,2%以下,2%以下である2)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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