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文献詳細

雑誌文献

検査と技術15巻10号

1987年09月発行

文献概要

検査法の基礎理論 なぜこうなるの?

血中および尿中尿酸測定の意義

著者: 中村徹1 吉村輝夫1

所属機関: 1福井医科大学・第一内科

ページ範囲:P.1083 - P.1088

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 尿酸は人体の構成単位である細胞に例外なく含まれるヌクレオチド(nucleotides),核酸の終末代謝産物である.生体内では尿酸は産生と排泄が平衡した定常状態にあるが,この代謝の様相を把握し,その異常を発見して解析するうえに,尿酸の血中濃度と尿中排泄の測定が有力な指標となる.
 他方,尿酸代謝の異常により惹起される高尿酸血症の症状が他種疾患の症状に類似するので,それらの鑑別診断のためにも尿酸の測定が必要である.高尿酸血症は当初必ずしも症状を伴うとは限らないが,長期間持続すると急性関節炎発作のみならず,腎障害,尿路結石症,動脈硬化症,高血圧症,虚血性心疾患などの多彩な疾患を高率に合併するようになるので早期に発見して対処すべきであり,そのため無症状の対象にも尿酸の測定が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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