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文献詳細

雑誌文献

検査と技術15巻10号

1987年09月発行

文献概要

検査法の基礎理論 なぜこうなるの?

Legionellaの発育因子

著者: 藪内英子1

所属機関: 1岐阜大学・微生物学

ページ範囲:P.1089 - P.1093

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 Legionella属菌は通常の細菌学用培地,例えばトリプチケース・ソイ寒天や血液寒天培地には発育しない.その発育には炭末またはデンプン,システイン,鉄化合物などを加えた培地が必要である.現在知られているLegionella属の菌種はすべてcharcoal-yeast extract(CYE)培地1),buffered charcoal-yeast extract(BCYE)培地2)またはこれにα-ケトグルタル酸を加えた培地(BCYEα)3)(表1)によく発育する.これらの培地にはL-システイン(L-cysteine)と鉄化合物が含まれており,Legionella oakridgenesis以外の全菌種はこの培地からL-システインを除去した培地では発育しない.したがって,L-システインはこの属の大部分の菌種にとって,その発育に必須の物質であるといえる.
 ここではL-システインおよびその他の発育因子を中心にして,Legionella属菌の発育に必要な培地条件について考えてみよう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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