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文献詳細

雑誌文献

検査と技術15巻10号

1987年09月発行

文献概要

けんさアラカルト

明日の臨床検査と技師の役割

著者: 中甫1

所属機関: 1三井記念病院中央検査部

ページ範囲:P.1153 - P.1153

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 近年,高度医療のみでなく,医療の質について見聞きすることが多くなってきました.先日も厚生省と日本医師会による病院,診療所における医療の質に関する100項目にわたる自己評価案が新聞に出ていました.当然のことながら,医療の一部を担っている臨床検査にも同様に,臨床検査の質が今後ますます問われることになると思われます.高度の技術を駆使して信頼性の高い検査情報を臨床医に提供する臨床検査の基本は変わりませんが,単に情報の提供者でなく,患者を中心とした検査サービスにも技師の役割が要求されるでしょう.
 現在,産業界においても高品質の製品を提供するだけでは質が高いとはいえないことが,広く認識されています.すなわち,質とは顧客の満足度と関連するものであって,いかに高品質の製品であろうとも,顧客が満足しなければ質が高いとはいえないのです.そのようなことから,従来のquality control(品質管理)から,さらに広い意味を含めたtotal quality control(総合的品質管理)や,適当な訳語は見つかりませんが,quality managementという語が使用されるようになっています.この内容を臨床検査について考えてみますと,産業界における製品に相当する検査データの質を高め,それを長期間維持することはもちろんですが,検体の微量採取,迅速性,即時対応,ニーズに合った組織編成とその運営など,患者が満足な医療(病的状態から早く脱したいという願望が満たされること)を享受することに関連するすべての事がらを含んでいます.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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