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文献詳細

雑誌文献

検査と技術15巻11号

1987年10月発行

文献概要

検査を築いた人びと

喉頭鏡を臨床医学に応用した ルートヴィヒ・チュルク

著者: 深瀬泰旦1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学医史学

ページ範囲:P.1172 - P.1172

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 喉頭鏡を発明したのは,9月号で述べたようにロンドンの声楽家マニュエル・ガルシアであるが,これを耳鼻咽喉科の臨床に応用したのはチュルクかツェルマークか,いまなお論争が続いているといっても過言ではない.ある書物には「喉頭鏡の臨床的応用はチュルクとツェルマークがそれぞれ独立して行い,それは1858年のことであった」と記されているが,ある書物では,「チュルクは,喉頭鏡の臨床的応用には将来性がないと考えていた」と書かれている.
 19世紀ヨーロッパ医学を代表する新ウィーン学派の中心人物の一人であるルードヴィヒ・チュルクは,1810年7月22日にウィーンで生まれた.オーストリア宮廷の宝石細工人であったチュルクの父親は,息子の社会的・経済的地位を確立するため,物惜しみせず,あらゆる努力を傾けた.チュルクが成人してからは,経済的独立によって,何ものにも煩らわされることなく,神経系の解剖学と病理学を徹底的に研究することが可能になった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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