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文献詳細

雑誌文献

検査と技術15巻11号

1987年10月発行

文献概要

検査法の基礎理論 なぜこうなるの?

DNAプローブの実際と細菌感染症の診断への応用

著者: 江崎孝行1

所属機関: 1岐阜大学微生物学

ページ範囲:P.1173 - P.1176

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 細菌感染症の原因菌を迅速に同定するために,病原細菌の持つ特異的なDNAを使用して原因菌を検出しようという試みがなされるようになってきた.
 生物に共通に存在するDNAはわずか4個の塩基を基本単位としており,この塩基の配列の違いが個々の生物に特異的な遺伝子をもたらしている.菌種に特異的なDNA断片は感染症の診断や菌種の同定のために開発されてきたが,アイソトープを使用するため検査室では普及しなかった.ところが,分子遺伝学の発展に伴いアイソトープを使用せずに簡便に実施できるようになってきた.DNAによる同定法は血清学的診断法に比べると交差反応が少なく,長期にわたってDNAの保存ができるので,有望な感染症の診断方法となる可能性がある.DNAハイブリダイゼーション法の理解を深め,細菌検査室でも積極的にこの方法を試みてもらいたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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