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文献詳細

雑誌文献

検査と技術15巻11号

1987年10月発行

文献概要

検査ファイル 用語

院内感染

著者: 小酒井望1

所属機関: 1順天堂大学浦安病院

ページ範囲:P.1224 - P.1225

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1.院内感染とは
 院内感染(病院感染ともいう)は病院内で発生する感染をいう.入院中の患者,外来患者,見舞客,病院職員などが,病院内で感染すれば,すべてが院内感染である.しかし,これらの人々が病院外で感染し,院内で発症した場合には,院内感染とはいわない.また院外ですでに感染したのか,院内で感染したのか,区別できない場合も少なくない.外来患者や見舞客のように,いわば一過性に病院を訪れる人々の場合には,院内感染か否かの区別が難しい.したがって,院内感染対策の対象となるのは,主として入院患者と職員の場合である.もっとも,職員も1日の約1/3が病院内にいるだけであるから,院内感染か否かの区別がつきにくいことも少なくない.
 院内感染は,病院という一つの屋根の下に患者を収容するようになった時代から存続したと考えられる.しかし院内感染の実態が明らかとなったのは,19世紀の中ごろからの微生物学発達以後のことである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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