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文献詳細

雑誌文献

検査と技術15巻12号

1987年11月発行

文献概要

病気のはなし

発作性夜間血色素尿症

著者: 藤岡成德1

所属機関: 1三井記念病院血液内科

ページ範囲:P.1258 - P.1263

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発作性夜間色素尿症とは
 発作性夜間色素尿症(paroxysmal nocturnal hemoglobinuria;PNH)は,主として睡眠時に血管内溶血が起こり,翌朝の尿が赤褐色のヘモグロビン尿になる疾患である.血管内溶血の原因は,補体溶血を起こしやすいPNH赤血球が産生されることにあり,その点から後天性溶血性貧血の仲間に入る1).しかしPNHには,溶血のみでなく,骨髄での造血にも異常があり,低形成になって再生不良性貧血に似た病像を呈する症例が知られている.補体感受性は白血球,血小板にも認められ,したがって造血幹細胞レベルで異常が起こっていると考えられ,溶血性貧血とともに造血異常を含めたさまざまな病態を示すのが特徴である.PNHの診断には,赤血球の補体溶血感受性の亢進を証明するHam試験が行われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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