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文献詳細

雑誌文献

検査と技術15巻12号

1987年11月発行

文献概要

検査ファイル 項目

カタラーゼテスト

著者: 斎藤肇1

所属機関: 1島根医科大学微生物免疫学

ページ範囲:P.1318 - P.1319

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 カタラーゼはH2O2を特異的に分解する鉄ポルフィリン酵素であって,動植物組織や細菌に存在する.ウシ肝臓のカタラーゼが結晶として最初に分離されて以来,諸種の動物組織をはじめとして植物,細菌のカタラーゼが結晶として取り出されている1)
 細菌のカタラーゼの有無は,その鑑別,同定の重要な鍵となっている.通性嫌気性菌の大部分は呼吸系をもつが,ヘム蛋白の合成能を欠く細菌(Streptococcus,Lactobacillus)では呼吸系をもたず,カタラーゼを欠く.O2が存在すると,細菌細胞内で起こる酸化反応に伴って細胞に有害なO2-,H2O2,OH,1O2ができる.したがって,O2の存在下で発育できる菌のほとんどは,H2O2を分解するカタラーゼとO2-を分解するスーパーオキサイドディスムターゼ(superoxide dismutase)をもつ.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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