文献詳細
病気のはなし
文献概要
子宮頸管の炎症(cervicitis)は感染性,非感染性ともに幅広い病因をもっている.感染性のcervicitisのほとんどが腟炎を伴っており,特に,慢性の頸管炎(chronic cervicitis)は婦人科疾患中でもっとも多く,腟炎と同様,帯下の原因としてももっとも頻度が多い.また.chronic cervicitisでは初期頸癌との肉眼的鑑別が困難な場合がみられ,安易な治療指針は慎しまねばならない.日常よくみられる疾患でありながら,病因論的研究は少ない.これは先に述べたように,複雑多岐な成因があるため,研究的アプローチが困難なためと考えられる.本稿では子宮頸管炎(infectious cervicitis)について解説する.
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