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技術講座 血液
第XIII因子測定法
著者: 秋山淑子1
所属機関: 1東京大学病院中央検査部
ページ範囲:P.1368 - P.1372
文献購入ページに移動XIII囚子は凝固系のスクリーニング検査では異常がないにもかかわらず,生下時の臍帯出血や,外傷,手術の傷口からの出血などから疾患が見いだされるもので,先天性の欠損症では数%,時には0.5%あれば止血管理ができるとされており4),従来,臨床検査では必須の検査とはされていなかった.しかし,創傷治癒とXIII因子との関係が明らかになり5),大手術後の活性低下による創傷治癒不全がXIII因子の補充によって改善される症例6,7)があることからXIII因子製剤による治療が行われるようになった.社会保険診療による適用条件としてはXIII因子活性70%以下の疾患に限られたため,治療にあたってはXIII因子活性の測定が必要となってきた.また,創傷治癒不全だけでなくDIC,重症肝障害,悪性腫瘍などでも低下するため,検査としての重要性は増すと思われる.
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