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文献詳細

雑誌文献

検査と技術15巻2号

1987年02月発行

文献概要

マスターしよう基本操作

赤血球浮遊液の作りかた

著者: 瀬戸幸子1

所属機関: 1虎の門病院分院検査室

ページ範囲:P.167 - P.173

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 免疫学的血清検査法において,赤血球を使って検査する方法は,現在ラテックス法などにとって代わられて少なくなってきているが,まだかなりの種類の検査法がある.赤血球を生のまま使う検査としては,寒冷凝集反応,マイコプラズマ補体結合反応,50%溶血法による補体価の測定,Middlebrook-Dubos反応,緒方法,ASO(マイクロタイター法),血液型検査,直接・間接抗グロブリン試験,Donath-Landsteiner,ウイルスの血清検査の一部などがある.固定した赤血球を用いて行う検査としては,RAHA,Paul-Bunnell反応,妊娠反応,HBs抗原・抗体検査などがある.また赤血球の種類としては,ウサギ,ヒツジ,ニワトリ,アヒル,ガチョウ,ヒトなど,いろいろな動物の赤血球が検査に使われている.赤血球を検査に使う場合は,ほとんどが抗凝固剤で採血された市販品のものを使っていると思われるが,一部ヒトの赤血球の場合は血餅を使う場合もある.
 赤血球はできるだけ新しいものを使うのが原則であるが,それだからといって毎日採血するわけにはいかない.なるべく長期保存がきく保存液などが入った抗凝固剤で採血したものを使い(例えば,Alsever液,ACD液,CPD液など),使用期限内に使用し,期限が近くなり赤血球が弱って溶血を起こしやすくなったものは,使わないほうがよいと思われる.洗浄が悪いと,残っていた蛋白質などが作用して抑制反応が起こり真の値が出なくなるので,慣れないうちは3回洗浄と書いてあったら4回洗浄して,1,2回数を増やしていねいに洗うとよい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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