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文献詳細

雑誌文献

検査と技術15巻3号

1987年03月発行

文献概要

検査法の基礎理論 なぜこうなるの?

モノカインとその役割

著者: 松村治雄1 中野昌康2

所属機関: 1自治医科大学微生物学教室 2自治医科大学微生物学

ページ範囲:P.217 - P.221

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モノカインとは
 血液の中の単球や組織内にあるマクロファージは,生体に侵入する微生物や異物を貪食処理し,抗原情報をリンパ球へ伝達する機能をもっている.単球とマクロファージはいずれも骨髄の同じ幹細胞に由来し,両者は同じ細胞と考えられているが,白血球に比べて寿命が長く,生体防御や免疫に際してきわめて重要な役割を果たしている.これらの細胞は貪食したものを処理するための活性酸素や各種の加水分解酵素を産生するとともに,貪食とは関係が薄い別な機能,すなわち補体の成分やさまざまな蛋白活性因子をも産生することが知られている(表1).
 それら蛋白活性因子のうち,他の細胞に作用して,その細胞の活性を変化させ,細胞の分化や増殖に影響を与えるものをモノカイン(monokine)と呼ぶ1〜3).インターロイキン1(interleukin 1;IL-1),コロニー刺激因子(colony stimulating factor;CSF),インターフェロン(interferon;IFN),腫瘍壊死因子(tumor necrosis factor;TNF)などがそれである.これらはリンパ球が産生する蛋白活性因子(リンホカイン,lymphokine)とともに,細胞の分化,増殖,さらに生体防御系や免疫系の秩序を保つための細胞間調節物質として近年特に注目を集めている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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