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文献詳細

雑誌文献

検査と技術15巻5号

1987年04月発行

文献概要

臨床生理検査と技術 Ⅳ 超音波検査

[7]カラーDoppler法—Doppler断層の臨床

著者: 尾本良三1 松村誠1

所属機関: 1埼玉医科大学第1外科

ページ範囲:P.495 - P.502

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カラーDoppler法(Doppler断層)の位置づけ
 リアルタイムDoppler断層心エコー図法,あるいはリアルタイム二次元血流映像法は,世界に先がけて,いちはやく実用システムがわが国で開発され,臨床に応用された新しい診断技術である1〜3).著者は,初め「Doppler(ドップラ)断層」と略称していたが,市販システムの名称が〈カラーDoppler)であったので,しばしばカラーDoppler法とも呼ばれている.外国では,color flow mappingという名称が一般化している.
 さて,Mモードから始まった心エコー図法の技術的進歩の面からみると,Doppler断層は断層心エコー図法,パルスDoppler法(一点のサンプルボリュームの血流情報で,多くは高速Fourier分析による周波数分析法),連続波Doppler法(CW)と並んでいる心エコー図法の一つの〈モード〉であると理解することができる.もっとも,新しく開発されて実用化された心エコー図法におけるモードがDoppler断層であるために,しばしば〈Doppler断層〉として特に一つだけ取り出して論じられる場合があるが,ほんとうは,血流をリアルタイムでディスプレイする便利なモードが一つ増えたということである.このようなDoppler断層のカラーモードの能力のあるシステムは,第3世代心エコー図法システムと呼ばれることがある.したがって,現在もっとも必要なことは,〈Doppler断層〉という新しいモードを〈うまく利用する知恵〉である.上記のMモード,断層,パルスDoppler法,CW,Doppler断層など心エコー図法の五つの各モードの特徴,利点,欠点あるいはその限界をよく理解して,必要に応じてこれらをうまく選択して利用することが強く要請されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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