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文献詳細

雑誌文献

検査と技術15巻5号

1987年04月発行

臨床生理検査と技術 Ⅶ 呼吸機能検査

[3]呼吸機能検査法と判定基準

[J]クロージングボリューム

著者: 佐々木英忠1

所属機関: 1東北大学医学部第一内科

ページ範囲:P.626 - P.628

文献概要

クロージングボリューム(CV)の発生機序
 健常者でも立位では,肺の重さにより胸腔内圧(Ppl)が肺尖から肺底部まで異なる.安静呼気位(FRC)でPpl=-5cmH2Oであるが,これは平均のPplを意味し,肺尖ではPpl=-8cmH2O,肺底ではPpl=-2cmH2Oくらいである.
 図3は立位の状態で肺を三つに区分したとして,上,中,下の肺圧-量曲線を描いたものである.同一人の肺であるので肺圧-量曲線は同一とした.深吸気位(TLC)では図3の黒丸まで達し,Pplは相変わらず上下で6cmH2Oも差があるとしても,圧量曲線が水平なのでほぼ三つの肺がTLCに達していることが図3からいえる.FRC(白丸)では中肺が平均値を示すPpl=-5cmH2Oであっても上肺はPpl=-8cmH2O,下肺はPpl=-2cmH2Oであり,肺圧-量曲線は傾斜があるので,各三つの肺における局所の肺気量(regional VL)は著しく異なる.残気量位(RV;×印)では中肺はPpl=0cmH2Oとしても上肺はPpl=-3cmH2O,下肺はPpl=+3cmH2Oとなっている.肺圧-量曲線は肺弾性圧(PL=PA-Ppl,PA=0なので,PL=-Ppl)=0cmH2O以下は肺気量が縮小しないとした.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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