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文献詳細

雑誌文献

検査と技術15巻6号

1987年05月発行

文献概要

検査ファイル 項目

細網線維染色

著者: 八木弥八1

所属機関: 1静岡赤十字病院検査部

ページ範囲:P.748 - P.749

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 細網線維(reticular fiberまたはreticulin)は広く結合組織中に分布し,一方,リンパ節,脾臓,肝臓のような実質臓器では,微細な網状の支持組織として分布している.
 細網線維は線維芽細胞から分化し,その中には膠原線維(collagen fiber)と弾生線維(elastin fiber)が含まれる.膠原線維と細網線維の構造上の差は,膠原線維は規則的に配列する線維に平行するようにアミノ基を有するグルコサミン(glucosamine)が密に接合している.これに対し細網線維は線維に脂肪酸が結合し,その周囲に水酸基とアルデヒド基を含む単糖類(aldose)が配列している点である2).図1のようにPAS染色を施行すると,細網線維は強く陽性反応を呈するのに対し,膠原線維はその構造上から過ヨウ素酸による酸化が十分に行われず,したがってその反応が弱い.しかし,実際にはPAS染色のみでは両者を区別することは不可能である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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