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文献詳細

雑誌文献

検査と技術15巻7号

1987年06月発行

文献概要

病気のはなし

動脈硬化症

著者: 村井淳志1

所属機関: 1京都大学老年科

ページ範囲:P.782 - P.787

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動脈硬化症とは
 年をとるにつれ,すべての人の動脈壁は例外なく肥厚して厚くなり,弾性を失って硬くなる.動脈硬化という名称は元来,このような一般的に認められる老化現象に対して与えられたのである.しかし動脈壁が肥厚して硬くなっても,生理的な老化現象である限り,梗塞を起こしたり出血することは少ない.ところが,動脈の内膜にアテロームを作る粥状硬化症,動脈の中膜に壊死をもたらす細動脈硬化症が合併すると,動脈の内腔を閉塞して梗塞を起こしたり,破裂して出血することになる.これらの動脈病変はしばしば患者を死亡させ臨床的にきわめて重要であるから,生理的な老化現象とは区別して動脈硬化症と呼ぶようになった.すなわち,最初に使用されたような意味ではなく,現在では動脈の疾患名として使用されている.動脈硬化症には粥状硬化症,細動脈硬化症,Monckebergの中膜硬化症の3型があるので,これらを区別して解説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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