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文献詳細

雑誌文献

検査と技術15巻8号

1987年07月発行

文献概要

病気のはなし

肺癌

著者: 池修1 人見滋樹1

所属機関: 1京都大学結核胸部疾患研究所胸部外科学

ページ範囲:P.874 - P.879

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疫学
 わが国において,死因の第1位は悪性新生物によるものであり,しかも年々増加している.また,悪性新生物の中で,胃癌や子宮癌が減少傾向にあるのに対し肺癌は著明に増加し,男子では胃癌に次いで2位,女子では胃癌,結腸癌および直腸癌に次ぐ3位の死亡数となっている.西暦2000年には,悪性新生物による死亡の第1位は肺癌になると考えられている.
 このような肺癌の急速な増加の原因として,大気汚染,喫煙,人口の高齢化,診断法の進歩などが考えられる.特に喫煙者では発生率が高く,1日10〜20本で非喫煙者の8倍,20本以上では18倍の発生率との報告もある.また,タバコ煙の中には10種類以上の発癌物質が含まれており,扁平上皮癌や小細胞癌が発生しやすくなるといわれている.一方,職業と関連して肺癌発生率の高いものに,放射性物質による被爆,石綿,ニッケル,クローム,マスタードガスによるものが知られている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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