文献詳細
検査を築いた人びと
文献概要
組織培養はいまでは医学研究や診断に欠かせぬ手段となっているが,それが確実に行われる見通しがついたのは,今世紀の初めであった.なお,生体外で組織培養を最初に試みたのはフランス人ルウであり,1885年のことであった.また,同じころ,ドイツ生まれのアメリカの病理学者L・ロエブが結合組織の組織培養に成功していたが,単に培地の中で組織を生かしておくだけで,生育は認められなかった.
一方,ロス・G・ハリソン(1870〜1959)が行ったオタマジャクシから採った神経組織の培養では,神経線維の生長がみられた.彼の方法はさらに後継者バロウによって改良されて,ハリソンーバロウーカレル法となって,胎生期の組織だけでなく,さまざまな種属の成体,新生物の培養も可能にしたのである.なおバロウはジョンズ・ホプキンス大学を卒業後,一時カレルの下で研究を進めていた.こうして組織培養の歴史は1907年のハリソンの研究から始まり,ハリソンがそのパイオニアとして名を残すに至ったのである.
一方,ロス・G・ハリソン(1870〜1959)が行ったオタマジャクシから採った神経組織の培養では,神経線維の生長がみられた.彼の方法はさらに後継者バロウによって改良されて,ハリソンーバロウーカレル法となって,胎生期の組織だけでなく,さまざまな種属の成体,新生物の培養も可能にしたのである.なおバロウはジョンズ・ホプキンス大学を卒業後,一時カレルの下で研究を進めていた.こうして組織培養の歴史は1907年のハリソンの研究から始まり,ハリソンがそのパイオニアとして名を残すに至ったのである.
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