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検査法の基礎理論 なぜこうなるの?
蛋白尿の検出法とその考えかた
著者: 松橋尚生1 東徹1
所属機関: 1北海道大学医学部第2内科
ページ範囲:P.886 - P.890
文献購入ページに移動蛋白尿の意義
蛋白尿の検査は臨床検査の中でもっともしばしば施行され,かつ臨床上重要なものの一つである.正常健康人においても微量の蛋白質が尿中に存在するが,その量は1日当たり100mg以下であるとされている.1日当たりの尿量を1200mlとすると,尿中の蛋白質濃度は8mg/dl以下ということになる.現在もっとも広く用いられている試験紙法による尿蛋白検出の感度は15〜30mg/dlであるので,通常の正常人の尿には試験紙法では蛋白尿は検出されない.したがって,試験紙法で陽性の場合は異常所見として対処されるのであるが,後述するように蛋白尿はすべてが病的なものであるわけではなく,生理的蛋白尿といわれるものもあり,また疾患に起因する蛋白尿であっても,蛋白尿は単に一つの症状であり,直ちに何か特定の疾患が診断されるものではない.また逆に,かなりの量の蛋白質が尿中に存在しても,試験紙法では検出されない場合もある(ベンスジョーンズ蛋白など)ことに注意しなければならない.
尿蛋白の検査は,24時間蓄尿を行ってその一部を定量し,濃度×尿量により1日当たりの尿蛋白排泄量として求めるのが理想であるが,実際上は随時尿(スポット尿)を用いることが多い.スポット尿を用いる場合はあくまでもその時点での尿中の蛋白濃度をみていることを忘れてはならない.
蛋白尿の検査は臨床検査の中でもっともしばしば施行され,かつ臨床上重要なものの一つである.正常健康人においても微量の蛋白質が尿中に存在するが,その量は1日当たり100mg以下であるとされている.1日当たりの尿量を1200mlとすると,尿中の蛋白質濃度は8mg/dl以下ということになる.現在もっとも広く用いられている試験紙法による尿蛋白検出の感度は15〜30mg/dlであるので,通常の正常人の尿には試験紙法では蛋白尿は検出されない.したがって,試験紙法で陽性の場合は異常所見として対処されるのであるが,後述するように蛋白尿はすべてが病的なものであるわけではなく,生理的蛋白尿といわれるものもあり,また疾患に起因する蛋白尿であっても,蛋白尿は単に一つの症状であり,直ちに何か特定の疾患が診断されるものではない.また逆に,かなりの量の蛋白質が尿中に存在しても,試験紙法では検出されない場合もある(ベンスジョーンズ蛋白など)ことに注意しなければならない.
尿蛋白の検査は,24時間蓄尿を行ってその一部を定量し,濃度×尿量により1日当たりの尿蛋白排泄量として求めるのが理想であるが,実際上は随時尿(スポット尿)を用いることが多い.スポット尿を用いる場合はあくまでもその時点での尿中の蛋白濃度をみていることを忘れてはならない.
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