文献詳細
技術講座 生化学
文献概要
ヒト血清中には約3mgの銅が存在し,その約90〜95%がセルロプラスミンの構成因子となっている.金属銅は,一般に生体に対し毒性を呈するが,このようなセルロプラスミンの形やアルブミンとの結合により無毒化される.血清銅の大部分を含むセルロプラスミンは,1046分子のアミノ酸,4分子のオリゴ糖,8原子の銅イオン(0.35%)から成る,分子量151000のα2-グロブリン分画に属する糖蛋白で,アスパラギン-339の有無により,タイプ1およびタイプ2の異なった分子型が85:15の比率で存在する.また遺伝変種としては現在までに9種が発見され,そのうち4種は通常見いだされるものである.
セルロプラスミンは酸化活性を有し,細胞中の貯蔵鉄の遊離に関与することから(図1,2),貧血,肝障害などの疾患と深く結びつくとともに,ウィルソン病のような先天性異常の指標として,臨床的に重要な測定項目の一つである.したがって,その測定法や応用に関する検討も多く,1951年のHolmbergとLaurellによる報告1)を皮切りにセルロプラスミンについての研究は大きな進展を見せ,現在に至っている.
セルロプラスミンは酸化活性を有し,細胞中の貯蔵鉄の遊離に関与することから(図1,2),貧血,肝障害などの疾患と深く結びつくとともに,ウィルソン病のような先天性異常の指標として,臨床的に重要な測定項目の一つである.したがって,その測定法や応用に関する検討も多く,1951年のHolmbergとLaurellによる報告1)を皮切りにセルロプラスミンについての研究は大きな進展を見せ,現在に至っている.
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