文献詳細
文献概要
トピックス
遺伝子診断法
著者: 佐々木裕之1
所属機関: 1九大遺伝情報実験施設
ページ範囲:P.934 - P.934
文献購入ページに移動それでは,遺伝子診断(あるいはDNA診断)によってどういうことがわかるのであろうか.まず挙げられるのは,最近脚光を浴びている各種遺伝病の出生前診断や保因者検出である.患者の遺伝子を直接調べるわけであるから発病前でも診断でき,また検体となる細胞も末梢血白血球や羊水細胞(胎児由来)など何でもよく,種類を問わない点が便利である.このようにして早期に診断ができれば,早期治療,予防,遺伝相談などに非常に有益である.われわれも家族性アミロイドーシスの遺伝子診断法を報告しているが,現在では遺伝子的に診断できる遺伝病の数はたぶん百を越えている(遺伝病のDNA診断については榊の総説1)がある).また今後は,特殊な遺伝病以外,例えば高脂血症や糖尿病,ある種の癌などのハイリスクグループのスクリーニングなどに,こういう方法が威力を発揮する可能性もあると思われる.
掲載誌情報