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文献詳細

雑誌文献

検査と技術15巻8号

1987年07月発行

文献概要

トピックス

遺伝子診断法

著者: 佐々木裕之1

所属機関: 1九大遺伝情報実験施設

ページ範囲:P.934 - P.934

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 これまで遺伝子解析技術の応用は大学や一部の研究施設などの専売特許の観があったが,最近ではその応用分野の拡大に伴って技術改良も着実に進んでおり,病院の検査室や商業ベースにのった外注での検査も技術的には近い将来可能になりそうな状況である.患者の遺伝子を調べることにより従来の方法では得られなかった新しい情報が手に入ることになり,その臨床的意義も大きいものと期待される.
 それでは,遺伝子診断(あるいはDNA診断)によってどういうことがわかるのであろうか.まず挙げられるのは,最近脚光を浴びている各種遺伝病の出生前診断や保因者検出である.患者の遺伝子を直接調べるわけであるから発病前でも診断でき,また検体となる細胞も末梢血白血球や羊水細胞(胎児由来)など何でもよく,種類を問わない点が便利である.このようにして早期に診断ができれば,早期治療,予防,遺伝相談などに非常に有益である.われわれも家族性アミロイドーシスの遺伝子診断法を報告しているが,現在では遺伝子的に診断できる遺伝病の数はたぶん百を越えている(遺伝病のDNA診断については榊の総説1)がある).また今後は,特殊な遺伝病以外,例えば高脂血症や糖尿病,ある種の癌などのハイリスクグループのスクリーニングなどに,こういう方法が威力を発揮する可能性もあると思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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