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文献詳細

雑誌文献

検査と技術15巻9号

1987年08月発行

検査法の基礎理論 なぜこうなるの?

フィブロネクチン

著者: 出屋敷喜宏1 鈴木宏治2

所属機関: 1三重大学医学部臨床検査医学 2三重大学臨床検査医学

ページ範囲:P.996 - P.1000

文献概要

フィブロネクチンとは
 フィブロネクチン(fibronectin)とは,ラテン語のfibra(線溶)とnectere(結合する)の名前に由来する高分子糖蛋白である.かつてこの蛋白質は,低温下で難溶性の血漿グロブリンであることからcold-insoluble globulin(CIg)と呼ばれたり,癌化細胞の表面から特異的に消失する蛋白質の意味でlarge external transformation sensitive(LETS)protein,あるいは線維芽細胞表面に存在することからfibroblast surface protein,さらにはマクロファージの貪食作用を促進する性質(オプソニン作用)のあることからα2-surface binding opsonic proteinなどと,異なった研究領域で別々の名前で呼ばれていた.しかし,研究の進展により,これらの名称は同一物質の示す多面的な性質に基づくことが明らかになり,現在はfibronectinという名前に統一されている.
 フィブロネクチンは,血液をはじめとする体液中や結合組織,基底膜に広く分布する.体液中に存在するものと細胞表面に存在するものは若干性質が異なることから,前者を血漿フィブロネクチン,後者を細胞性フィブロネクチンと分けて呼ぶ.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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