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文献詳細

雑誌文献

検査と技術15巻9号

1987年08月発行

文献概要

トピックス

血清フルクトサミン測定の意義

著者: 西沢良記1 森井浩世1 庄司哲雄2 田畑勉2

所属機関: 1大阪市大第二内科 2蒼龍会井上病院

ページ範囲:P.1060 - P.1061

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 アミノ化合物(蛋白)とカルボニル化合物(還元糖など)によるamino-carbonyl反応(Mailard反応)は,以前より食品化学の分野で知られていた.この反応は体内の生理的条件でも生じ,高血糖状態で増加することが認められ,HbA1Cは血糖の指標として広く臨床応用されるに至っている.しかしHbA1Cは赤血球寿命の120日間に生成・代謝されるためその半減期は長く,1〜2か月の血糖指標であり,中期血糖指標が望まれている.
 血清蛋白も血中グルコース濃度に依存して非酵素的に糖結合する1).血清蛋白の半減期が2〜20日といわれており,またアルブミンの半減期などからみて血清糖化蛋白レベルは1〜2週前の血糖レベルに相関すると考えられる.このためglycated proteinあるいはglycated albuminの測定が検討されている.HbA1Cの測定がカラムクロマト,電気泳動法,高速液体クロマト,RIAで行われているが,glycated albuminはion-exchange chromatography(DEAE-cellulose)とaffinity chromatography(Affi-gel Blue)などのアルブミンの分離を行い,TBA法,boronic acid affinity chromatography,ion-exchange chromatographyなどによる測定によっている.しかし,これらは操作も複雑で,また安定性に欠けることから,臨床検査として用いるには不適であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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