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文献詳細

雑誌文献

検査と技術16巻10号

1988年09月発行

文献概要

ワンポイントアドバイス

マイクロタイター法のポイント

著者: 岩田進

所属機関:

ページ範囲:P.1165 - P.1165

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 最近では免疫血清検査法は抗原,特に腫瘍マーカーを中心とした生体中の微量成分測定が盛んである.しかも自動化という華やかな面をもっているし「腫瘍」などといういかにも最先端のことをやっているような気分にもなるゆえか,もてはやされている.したがって抗体検査はこのところ影が薄い.時代の流れで仕方もないが,でも免疫検査はこの抗体検出にそのルーツがあることを忘れないでほしいなあ.今でもそれなりの役目を果たしている.その抗体検査だが,主役な何といってもマイクロタイター法である.微量,簡単,都合のよいとき判定,おまけに高価な自動分析機などなくてもりっぱに結果は出せると自慢したいが,半定量で施設間誤差も大きいし,プレートの材質だって差があり,それが結果にも影響する.おまけにプレートの洗いかたによっちゃ変な出かたもする,とまあ弱味もあるわけよ.そこでこのマイクロタイター法で少しでもよい結果を出すためのポイントを一つ.
 マイクロプレートの材質や判定の"目"は仕方ないとしても,洗いかたが悪いと長い間には血清蛋白がプレート面に吸着し感作血球の落ちが悪くなり,本来の陰性像が偽陽性像または陽性像になってしまう.そこでこの洗いかたであるが,まずゴムホースにジョウロの先をつけたものを蛇口につけ,これで判定後のプレートをよーく水洗いする.それから洗剤につけるわけだが,洗剤につけるとき,よく水切りすることがコツである.プレートの孔に水が入ったまま洗剤液に浸すと,洗剤液が孔に入りにくくなり,洗浄効果が上がらず検査結果に影響することになってしまう.洗剤は特にどれでなければというものではないが,できれば蛋白分解酵素が入っているもの,泡ぎれのよいものが望ましい.もちろん最後の水洗いはよーくするよう努めたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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