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文献詳細

雑誌文献

検査と技術16巻11号

1988年10月発行

文献概要

検査ファイル 項目

免疫複合体

著者: 岩谷泰之1

所属機関: 1国立循環器病センター臨床検査部

ページ範囲:P.1280 - P.1281

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 生体は防御機構の一つとして,抗原を抗体,補体の結合により免疫複合体(immune complex;IC)に変形して,赤血球や白血球上のレセプター(補体レセプター,Fcレセプター)を介して肝や脾の網内系によって効率的に体液中から除去している.したがって,ICの存在は自己免疫疾患などの免疫病態にのみ起こる特殊な現象ではない.しかし,生体の免疫異常に伴い量的あるいは質的に変性をきたしたICが形成されると,循環血中に長期に存在することになり,さらに組織への沈着が起こり免疫複合体病を引き起こす原因となる.そこで,組織に沈着するICは血中を循環しているICに由来していると考えられるので,血中のIC測定は免疫複合病の解析を行うために重要となってきた.
 ICの検出,定量法は多岐にわたり50種類以上に及ぶ.いいかえれば標準的な方法がなく,また,ICの多様性を意味している.表1に血中IC測定法を示した.原理的に物理化学的方法と生物化学的方法に大別され,本稿では代表的な測定法を述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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