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文献詳細

雑誌文献

検査と技術16巻11号

1988年10月発行

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トピックス

β-ラクマターゼ阻害剤

著者: 西野武志1

所属機関: 1京都薬大微生物学

ページ範囲:P.1299 - P.1299

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 ペニシリンやセファロスポリンなどのβ-ラクタム抗生物質に対する耐性機構としては,①細胞壁外膜の透過性,②β-ラクタマーゼに対する安定性,③ペニシリン結合蛋白質に対する親和性の三つが知られているが,臨床的に分離されるβ-ラクタム抗生物質耐性菌の多くは,β-ラクタマーゼを産生することにより耐性を獲得している.現在,臨床的に分離される分離菌の約35〜40%がβ-ラクタマーゼを産生することが報告されている.
 このβ-ラクタマーゼを最初に発見したのはAbrahamらであり,彼らは1940年にペニシリン耐性の大腸菌からペニシリンを加水分解する酵素を発見し,これをペニシリナーゼ(PCase)と名づけた.その後多くのβ-ラクタマーゼが発見され,分類されているが,三橋らはβ-ラクタマーゼをその基質特異性よりPCase,セファロスポリナーゼ(CSase),オキシイミノセファロスポリナーゼ(CXase)の3群に分類している.PCaseはペニシリン系薬剤を,CSaseはセファロスポリン系薬剤を,またCXaseはオキシム型セフェムをよく加水分解する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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