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文献詳細

雑誌文献

検査と技術16巻12号

1988年11月発行

文献概要

検査ファイル 試薬

Labelling Index検討のためのBrdU

著者: 北川博1 金田次弘2

所属機関: 1国立名古屋病院臨床検査科 2国立名古屋病院臨床研究部

ページ範囲:P.1374 - P.1375

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 5-ブロモデオキシウリジン(5-bromodeoxyuridine:BrdU)は図1に示す分子構造を有する,分子量307.1のデオキシウリジンの誘導体である.これがDNAの構成ヌクレオチドであるサイミジンときわめて類似した構造であることから,DNA合成能を有する細胞に取り込ませることができる.そして,細胞の核内に取り込まれたBrdUを抗BrdU単クローン性抗体を用いて検出することができる.この方法を用いると,細胞集団の中のDNA合成期(S期)にある細胞の割合を知ることが可能である.これがBrdUを用いたLabelling Index(標識率)の検査である.
 従来,細胞回転の研究にはトリチウムで標識したサイミジン(8H-サイミジン)を使用してオートラジオグラフ法により行われてきたが,アイソトープを使用するので特殊な設備が必要であるため,近年では,簡便にかつ安全に行えるBrdU法による検索がなされてきている.現在,標識率の検索には酵素抗体法を用いる方法とフローサイトメトリーを中心とした蛍光抗体法を用いる方法とがあるが,ここでは各種血液細胞を材料とした酵素抗体法について,その方法の概略,成績,今後の方向などを述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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