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文献詳細

雑誌文献

検査と技術16巻12号

1988年11月発行

文献概要

検査ファイル 用語

PNHにおける膜蛋白質の異常

著者: 植田悦子1

所属機関: 1大阪大学微生物病研究所臨床部門内科

ページ範囲:P.1378 - P.1379

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 発作性夜間血色素尿症(paroxysmal nocturnalhemoglobinuria:PNH)は,同種補体に対する感受性が異常に亢進した赤血球が出現し,そのために血管内溶血と血色素尿をきたす後天性の溶血性貧血である.この同種補体に対する感受性の亢進は,顆粒球,血小板,単球,リンパ球など赤血球以外の血球にも広く認められ,造血幹細胞の突然変異によるクローナルな疾患と考えられている.PNHでは,補体に対する感受性以外にも好中球アルカリホスファターゼ(NAP)活性低値や赤血球アセチルコリンエステラーゼ(AchE)活性の低値などの複数の異常がみられる.
 近年,PNHの病因に関する進歩は目覚ましく,これら複数の異常を生じさせる基本的な病因が明らかになりつつあるので,ここに紹介したい1,2)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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