文献詳細
文献概要
やさしい統計のはなし・11
回帰と較正(1)
著者: 大橋靖雄1
所属機関: 1東京大学医学部附属病院中央医療情報部
ページ範囲:P.1389 - P.1392
文献購入ページに移動 第6回目の「2変数間の関連」で,相関係数の定義と解釈上の留意点について述べ,第7〜8回目の「検定と信頼区間」で,相関係数に関する検定や信頼区間の構成法の説明を行った.2変数間の関連の強さを測るのが相関係数であるのに対し,それを一歩進め,一方の変数値が与えられた条件下で他方の変数値を予測し,あるいは一方の変数値から較正によって他方の変数値を推定するために用いられるのが《回帰分析(regression analysis》である.検査の場面で使われている例を挙げよう.
(A)検査結果には年齢に依存するものも多いこと,ならびに一定年齢児を多数集めることが容易でないことから小児の検査データの「正常範囲」を求めるのはやっかいな問題である.年齢と検査値の間に「平均的に」滑らかな関係が成立するなら,検査値を年齢に回帰させ,少ないデータを有効に利用することが考えられる.
(A)検査結果には年齢に依存するものも多いこと,ならびに一定年齢児を多数集めることが容易でないことから小児の検査データの「正常範囲」を求めるのはやっかいな問題である.年齢と検査値の間に「平均的に」滑らかな関係が成立するなら,検査値を年齢に回帰させ,少ないデータを有効に利用することが考えられる.
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