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Human Herpesvirus-6(HHV-6)
著者: 森良一1
所属機関: 1九州大学ウイルス学
ページ範囲:P.1394 - P.1395
文献購入ページに移動このウイルスはPHA(phyto-hemagglutinin)で活性化されたヒトのリンパ球(通常は臍帯血のリンパ球が用いられる)に感染し,増殖し,そのリンパ球を破壊する.Gallo博士らは感受性のあるリンパ球はB細胞に限られるという成績を示し,このウイルスにHBLVの名を与えた.しかし,Gallo博士らとは独立に同様なウイルスの分離を行い研究を行っているアトランタCDC(Centers forDisease Control)のLopez博士らおよびその後の多くの研究室の成績では,このウイルスはT細胞に感染し増殖するということが明らかとなった3).したがって,Bリンパ球向性の名を冠することは妥当でないとして,ヒトを自然宿主とする6番目のウイルスという意味でhuman herpesvirus-6(HHV-6)の名で最近は呼ばれている.ちなみに,従来から知られている五つのヒトのヘルペス科のウイルスとは,単純ヘルペスウイルス1型(HHV-1),単純ヘルペスウイルス2型(HHV-2),水痘帯状疱疹ウイルス(HHV-3),ヒトサイトメガロウイルス(HHV-5)およびEBウイルス(HHV-4)である4). 昨年10月フロリダで開催された3rd lnternational Conferenceon Immunobiology and Pro−phylaxis of Human HerpesvirusInfectionsにおいてもHHV−6の問題は大きく取り上げられ,免疫生物学を中心としてLopez博士により,またDNAの構造を中心としてHoness博士(NationalInstitute for Medical Research,England)により詳細な報告がなされたが,いかなる疾病の病原体であるかは依然として謎であった.
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