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文献詳細

雑誌文献

検査と技術16巻2号

1988年02月発行

病気のはなし

多臓器障害

著者: 吉川恵次1 武藤輝一2

所属機関: 1新潟大学病院救急部 2新潟大学第一外科

ページ範囲:P.118 - P.122

文献概要

サマリー
 多臓器障害(MOF)とは,大手術,重症外傷,熱傷,重症感染症などの侵襲(主として外科的ストレス)およびこれらに伴うショックを契機として心,肺,腎,肝などの主要臓器が同時にまたは次々に障害されてくる病態である.歴史的にみるとMOFは人工腎,人工呼吸器などの人工臓器の発達を背景に生まれてきた現代の症候群ともいうべきものであり,はなはだ難治かつ予後不良な病態である.上記のような侵襲に暴露された患者の治療に当たってはつねにMOFの発生を念頭に置き,その予防に努めることがたいせつである.現在MOFの治療はいまだ各障害臓器に対する,主として人工臓器による治療の総和の域を出ない.今後よりよい人工臓器の開発,代謝栄養学的あるいは生体防御機構に関する全身的治療法の進歩が期待される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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