検査と技術16巻2号

1988年02月発行

検査法の基礎理論

生体の物性・1—電気特性

著者： 斎藤正男¹

所属機関： ¹東京大学医用電子研究施設

ページ範囲：P.129 - P.131

サマリー
　生体の電気物性は，受動的性質と能動的性質に分けられる．受動的性質は，導電率と誘電率によって表される．この二つの定数は，周波数が変化すると，決して一定ではなく，数十Hz，数MHz，約19GHzの付近で大きく変化する．これは，生体組織の構造の不均一性，イオン，水分子の運動などの影響のためである．生体の誘電率は，低周波において非常に大きい．これらの電気的性質を知ることは，多くの診療技術を理解するうえで重要である．